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    徹底解説!シリア騒乱④〜騒乱から生まれたシリア難民問題〜気になるところ、さらっとちゃらっとわかりやすく解説!

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    ハローベイベー!こんにちは杉森です!

     

    さて、今回はシリア騒乱についての最終回です。

    初回の記事では「シリア騒乱に至るまでの背景」

    2回目の記事では「シリア騒乱の経緯」

    3回目の記事では「シリアに介入する他国の思惑」を解説してきました。

     

    これまで書いた様に、シリア騒乱は簡単言うと、「よくある市民のデモが、政府の抑圧と他国の介入によって、シリア全土に広がる戦争と化した」といえるでしょう。

     

    そんなシリア騒乱の一番の被害者って誰だと思いますか?

     

    アサド大統領率いる政府軍側も、それに反抗する反体制派側もこれまでの戦闘にて多数の死者を出しました。彼らは、れっきとした戦争の被害者です。(同時に加害者でもありますが。)

     

     

    しかし、一番の被害者って、なんの罪もないのに、他国の介入によって拡大した戦争の波に追いやられ、住み慣れた地を終われたシリア国民ではないでしょうか。

     

    ということで、今回は「シリア国民」にフォーカスを絞ってシリア騒乱を見ていきましょう!

     

    それでは、レッツビギン!

     

    シリア騒乱の一番の被害者は、シリア国民

    400万人の難民と、760万人の国内避難民

    「シリア難民」という言葉は、一時期随分とニュースで取り上げられました。特に、2015年には、シリアを始め主に中東地域からの難民が一気にヨーロッパに流れ込み、社会問題に発展したニュースはみなさまの記憶にも新しいのではないでしょうか。この時は、本当に毎日難民に関わるニュースが流れていましたね。

      ↑ハンガリーにて線路を歩くシリア難民

    日本には難民はほぼ来ていないので、皆さんの実生活の中で難民問題と直接関わる部分は少ないでしょう。しかし、ニュースの量の多さなどから「ああ、難民問題、世界で大変そうだなー」という感じはするんじゃないでしょうか。

     

    そうなんです。今、世界の難民事情ってヤバいんです。

     

    特にシリア

     

    2015年に、UNHCRという国連系の難民保護組織が出した2015年7月に発表した報告によると、シリアの難民数約401万人国内避難民約760万人に上るそうです。

    もちろん彼らに避難をさせている一番の原因は、シリア騒乱です。

    難民と国内避難民
    難民=住処を追われ、国外へ避難した人
    国内避難民=住処を終われ、国内の別の場所へ避難した人

    401万人と760万人が持つ意味

    でも、難民401万人と国内避難民760万人って言われても、なんか多そうだけども、正直あんまりピンとこないですよね。

     

    そこで、「シリアの総人口」の数字と比較してみましょう。

    シリア騒乱の始まる前年の、2010年のシリアの人口は約2,072万人です。端数は端折り、2,000万人と考えます。

     

    そうすると、難民401万人と国内避難民760万人を足すと1,161万人ですから、なんと半数以上も、安全な場所を求めて、元々住んでいた家を手放しているのです。

    割合でみると、全国民の2人で1人ですよ?ちょっと考えられないですよね。

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    また、上の図の様に、全人口と比較して難民は約19%避難民は約36%となっています。

     

    これ、日本のパーセンテージでみてみると、東京都と神奈川県の人口を足すとおおよそ18%くらいです。従って、19%の人口が国外へ避難するということは、日本で言うと東京都と神奈川県の人がみんな海外へ避難するということと同規模になります。

     

    それって皆さん想像できますか?できないですよね。でも、そんな想像もできにくいことが、現実世界で起こっているのです。

     

    シリアの難民は、どこの国へ行っているの?

    それでは、戦火によって追いやられた難民はどこの国へ行っているのでしょうか。UNHCRの発表数値をまとめてみました。

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    この様に、難民の移民先は断トツでトルコが一位です。

    トルコはシリアの隣国で、経済的にもある程度発展しおり、シリアと同じイスラム教徒が多い国として難民受け入れも非常に積極的です。

     

    また、2016年3月には、EU(欧州連合)と「EUに不法にやってきた難民はトルコに強制的に送る。その代わりにEUはトルコに60億ユーロ(約7000億円)の支援と、トルコ人のEUへの観光ビザ免除をする」という合意をし、それもトルコの難民数を上げている一因です。

     

    レバノンこそが、縁の下の力持ち

    シリア難民の話題になると、まず出てくるのがトルコの話題です。そりゃ250万人も受け入れているのですから当然です。で、その陰に隠れがちになっているのが、シリアの隣国レバノンです。

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    この国ってめちゃくちゃすごいんです。何がすごいって、シリア難民100万人も受け入れているのですが、実はレバノンって、元々全人口約400万人くらいしかいなかったんですね。そこから100万人難民がきているのです。

    言い換えれば、「人口4分の1にあたる難民」がやってきているのです。

     

    この数字、日本で置き換えると、日本の人口1億2500万人とすると、3125万人の難民が来ることとなります。3125万人って、東京都+神奈川県+大阪府の総人口とほぼ同じくらいです。これも本当にあり得ないですよね。だけど、実際レバノンはこれに対応しているのです。

    ↑レバノンのシリア難民キャンプ

    というか、正直対応仕切れてないです。現在では、政府も流入を制限せざると得ません。だって4人に1人に値する人数がやってきているのですから。

    でも、シリア難民としたら行くあてがないのでレバノンに入らざるを得ない。レバノンも、隣国で起こる悲劇を見て見ぬ振りなんてできないですよね。

    そんな葛藤もありますが、レバノンがシリア難民問題に貢献している度合い非常に高いのではないのでしょうか。

    上記の表内の数字は、全て足しても前出のシリア難民総数401万人にはなりません。各数字が発表されたタイミングが微妙に異なるからです。あしからず!

    ヨーロッパには難民は行っているの?

    もちろん、ドイツをはじめヨーロッパにも難民は向かっています。

     

    しかし、その数は中東の周辺諸国と比べると、非常に少ないです。

    具体的な数としてはは、2015年秋のUNHCRの発表によると、

    ・ドイツ:約10万人

    ・スウェーデン:約6.5万人

    ・セルビア:約5万人

    などです。

     

    中東近辺と比べると、非常に数は少ないですね。なぜ少ないんでしょうか。

    ヨーロッパでの難民になるための「資格」

    ヨーロッパは中東諸国と比べ経済が発達しているので、賃金も高いです。よって、難民としてはやはり良い暮らしができるヨーロッパを目指したいと思います。

     

    しかし、現実問題ヨーロッパで難民になるには、めちゃくちゃお金がいるんですね。

     

    一番手っ取り早い方法としては、現地に行って難民申請をするのですが、そこに辿り着くことが大変なんです。飛行機でびゅーん!と行けたら良いのですが、ビザがなければ飛行機に乗ることすらできません。

     

    ではどうするのか?違法に国境を越えるしかないですよね。そうです、あのニュースで良くみる、小さいボートにぎゅうぎゅう詰めに乗せられてるアレですね。

      ↑ギリシャを目指すシリア難民 

    シリア難民がヨーロッパを目指す際は、まず陸路でトルコに行き、トルコからギリシャにボートで向かい、ギリシャからドイツなどに向けて北上をする、というルートがあります。

     

    で、このトルコからギリシャに行くボートなどは、密入国を商売にしている人たちが用意するのですが、たかだか2時間ほどのボート移動で平気で2、30万円くらいするんですね。

    2、30万といえば、日本であればおおよそ給料1ヶ月分くらいですが、シリアの現在の平均給料は国際労働期間の発表によると約5万円(2010年)です。30万なら半年分ですね。

     

    ということで、「難民」になるのにも「それなりにお金持ちではいけない」という資格がいるのですね。なんとも言い表しがたい世の中です。

    日本の難民対応

    日本って難民を受け入れてるの?

    では、そんな世界の問題と化しているシリアの難民ですが、日本はどのような対応をしているのでしょうか?

     

    2015年、日本には約7500人の難民申請をし、その内シリア難民は60人でした。

    まだまだ、シリア人からすると日本は渡航先として認知はされていないのですね。

     

    で、その60人の内、難民認定されたのは、たったの3人です。

    難民申請した60人がどのような人かはわからないので安直に「3人」という数字に対して意見はいけないのですが、まあ少ないですね。

     

    日本は、はっきり言って難民受け入れには積極的ではありません。そのかわりと言ってはなんですが、UNHCR(国連系の難民支援組織)などには多額の援助金を出しています。

     

    しかし、欧州諸国をはじめ、他国からは「日本は難民問題に関して、カネだけ出して、己の身は削らないのか」という批判の声もちょくちょく上がっています。

     

    日本はこれからも難民受け入れしないの?

    しかし、その姿勢も徐々にですが変わってきています。

     

    2016年の5月、政府はシリア難民の若者を、留学生として2017年からの5年間で最大150人を受け入れることを決めました。

     

    先出した中東諸国やドイツ、スウェーデンなどの数字を見ていると「たったの150人?」と言いたくなるところですが、独自の文化・言語を持つ日本が、180度異なる文化を持つ中東の国からの難民に対して、門を開いたと考えると「大きな150人」とも見ることはできるのではないでしょうか。

     

    これをきっかけに、日本政府も世界の問題に対しての積極的な姿勢を見せていってほしいですね。日本も世界の一員なのですから。

     

     

    ただ、シリア難民も含め、難民問題ではもちろん「受け皿となる国」の対応は非常に大切ですが、根本的な原因(シリアの場合はシリア騒乱)を収めないことには問題解決にはなりません。

     

    一刻も早く、避難しているシリア人が戻れるような平和が、シリアに訪れることを願うばかりです。

     

     

    ということで、今回はここまで!

     

    いかがでしたでしょうか?4回にわたるシリア騒乱の記事は。

     

    シリアというと日本からは遠く離れた国ですので、99%の日本人とは一生関わることの無い国と言っても過言では無いと思います。

     

    しかし、私たちは「たまたま」日本に生まれたから24時間快適な生活ができていますが、もしも「たまたま」紛争地域に生まれていたらどうでしたでしょうか?

     

    日本も、シリアも、ドイツも、フランスも、みんな同じ世界に、同じ時に住んでいます。

     

    このSuwila!!は、そんな同じ世界に住む人として、みなさんがこの世界を知ることの力になれれば非常に幸いです。

     

     

    それでは今回はここまで!また別記事にてお会いしましょう!チャオ!


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